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コロナウィルス解雇・ 倒産で知っておきたい制度

世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナウイルスの流行はパンデミック(世界的な大流行)になったとの見解を表明しました。ここ2週間ほど続く学校の休校やイベントの自粛など経済活動のシュリンク状態は、確実に企業の経済状態を蝕んでいきます。


今後予想されるのが、社員の解雇です。

日立メディコ事件(最高裁・昭和61.12.4)によれば、解雇対象者の順位は、「純粋なパートタイマー」 → 「定年後再雇用者」 → 「常用的パートタイマー」 → 「常用的臨時工」 → 「正社員」の順位とされています。


それでも会社の業績が芳しくない場合、倒産する企業もかなり出てくると思います。転ばぬ先の杖として、解雇や倒産で職を失う前に知っておきたい制度を今日はお話したいと思います。


「知っておきたい既存の制度」


(1)未払賃金立替払制度


未払賃金立替払制度は、企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。8割相当額が支給されます。


未払賃金立替払制度が適用されるのは、

「使用者が1年以上事業を継続して倒産し、未払賃金が発生した場合です。」


立て替えてもらえるのは、労働者が退職した日の6ヶ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期賃金と退職金です。(ボーナスは対象になりません

パートやアルバイトでも利用できます。また、未払い額が2万円未満の場合は、対象外です。


申請先は、最寄りの労働基準監督署または、独立行政法人労働者健康福祉課になります。

(参照:厚生労働省


(2)生活困窮者自立支援制度


生活困窮者自立支援制度は、「現在は生活保護を受給していないが、生活保護に至るおそれがある人で、自立が見込まれる人」を対象に、困りごとにかかわる相談に応じ、安定した生活に向けて仕事や住まい、子どもの学習などさまざまな面で支援するものです。

都道府県や市町村に「相談窓口」が設けられています。


相談窓口は、都道府県および市の福祉担当部署や社会福祉協議会、社会福祉法人、NPOなどに設置されます。自治体によって設置される機関が異なることがありますので、相談窓口の連絡先については、お住まいの都道府県や市町村にお問い合わせください。


自立相談支援機関 相談窓口一覧(令和2年1月1日現在)


(3)住宅確保給付金


住宅確保給付金は、経済的な理由などから家賃を滞納してしまい住宅を失ってしまった、あるいは家賃の支払いが困難となった場合に家賃相当額を支給し、生活の立て直しの支援を目的としている制度です。


支給期間は原則として3ヶ月間と定められています。


ただし、その期間を以てしても家賃を滞納することなく支払うことができないと認められる特別な事情のある場合には、最長で9か月間まで支援期間が延長されます。


住宅確保給付金の申請は、各自治体の福祉担当部署が担当窓口となっています。窓口へ出向いて相談することが困難な場合には、相談員の訪問による対応も可能となっています。


また、自治体によっては、社会福祉法人やNPOが担当窓口となっていることもあります。

(参照:厚生労働省


(4)雇用保険(特定受給資格者)


特定受給資格者とは、簡単にいうと会社都合で退職した人のことです。倒産や解雇などの理由から、再就職の準備をする時間的余裕がないまま離職した人のことをいいます。


一般的に「失業保険」と呼ばれている雇用保険の基本手当の給付日数は、離職者の退職理由によって分類されていて、「特定受給資格者」はその分類の中の1つを指します。


通常、基本手当(失業手当)が支給されるまでは、待期期間と給付制限期間が設けられています。待期期間とは、受給資格決定日から支給対象期間までの7日間のことです。また、給付制限期間とは、待期期間同様、雇用保険の基本手当が支給されない期間のことです。


自己都合退職の場合は、給付制限というものがあり、受給資格決定日(離職票を提出し、求職の申し込みを行った日)から、7日間の待期期間を満了したのち、さらに3ヶ月間は基本手当が支給されません。


反対に、特定受給資格者は、受給資格決定日(離職票を提出し、求職の申し込みを行った日)から、7日間の待期期間を満了すれば基本手当が支給されます。そのため、特定受給資格者は給付制限がない分、自己都合退職の方よりも3カ月早く基本手当を受け取れるということになります。


さらに、特定受給資格者は自己都合退職の場合と比べて基本手当の給付期間が長くなる傾向があります。

(参照:厚生労働省


(5)生活保護


生活保護制度とは、生活に困窮している国民に、その程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立の助長を図ることを目的とした制度です。


資産、能力等全てを活用した上でも、生活に困窮する人が対象となりますので、各種の社会保障施策による支援、不動産等の資産、扶養義務者による扶養、稼働能力等の活用が、保護実施の前提になります。


困窮に至った理由は問いません。


生活保護には


・生活扶助は、日々の暮らしにかかる食費、被服費、光熱費などがもらえる制度。

・住宅扶助は、家賃、部屋代、地代、住宅維持費、更新料、引っ越し費用などがもらえる制度。

・教育扶助は、子どもの義務教育にかかる費用などがもらえる制度。

・医療扶助は、病気やケガをした際に、治療・手術・薬などの費用を支払っての現物給付。最小限の通院費がもらえる制度。

・介護扶助は、介護サービスの費用を支払って現物給付がもらえる制度。

・出産扶助は、病院や助産施設で出産する費用がもらえる制度。

・生業扶助は、就職するための技能を習得する費用、就職支度費用、子どもの高校の授業料などがもらえる制度。

・葬祭扶助は、お葬式・火葬・埋葬などの費用がもらえる制度。


があります。


各扶助により、健康で文化的な生活水準を維持することができる最低限度の生活を保障しています。扶助の基準は、地域や世帯数等に応じて、厚生労働大臣が設定します。


保護の実施機関は、都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長です。保護の実施機関は、保護の決定・実施の事務について福祉事務所長に委任をし、福祉事務所長が行政庁として保護の決定・実施の事務を行います。


ではどうやって、保護の申請をしたら良いのでしょうか?


福祉事務所の生活保護に関する窓口に行き、保護申請を行う必要があります。申請すると、預貯金・保険・不動産等の資産、扶養義務者による扶養の可否、年金等の社会保障給付・就労収入等、就労の可能性が調査されます。調査後、保護費の支給や保護施設への入所等が決定されます。


今後、雇用調整助成金の活用や補正予算などで、政府からの救済措置が増えると思います。随時情報は更新しますので最新の情報を入手して、この難局を乗り切りましょう。