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知っていると安心!メンタルヘルス関連の福祉・行政サービス

最終更新: 6月18日

福祉サービスをはじめ、行政のサービスを受けるには自分で申請しなければなりません。よく「役所は申請主義だから」などの言葉を耳にします。申請主義は、「市民が行政サービスを利用する前提として、自主的な申請を必要とする」ということを指す言葉です。


サービス受給要件に該当していたとしても、自分で情報を調べ、「申請」をしなければ、受給に至ることはないのです。知らなかったから利用ができなかった、ということが往々に起こり得てしまうのです。


そこで今日は、知っていると安心できる福祉・行政サービスを紹介します。


①傷病手当金


傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。


対象者は健康保険、各種共済組合に加入している人で、療養が必要な人です。勤め先に休業に関する規則がなく、休業したら給料が支給されない人や、傷病手当金以下の給料しか支払われない人になります。


窓口は全国健康保険協会の都道府県支部(または健康保険組合)に申請します。勤務先に総務などの担当者がいる場合は、申請を代行してくれます。


支給額は休業1日につき、標準報酬日額の2/3相当が、休業4日目から1年6ヶ月の範囲で支給されます。


詳細は、全国健康保険協会のHPをご覧ください。


②雇用保険制度


「特定受給資格者」


倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた方が対象となります。


特定受給資格者に該当した場合は、


・被保険者期間が6ヶ月(離職以前1年間)以上あれば失業等給付(基本手当)の受給資格

を得ることができます。(通常、雇用保険の受給資格を得るには、離職以前に被保険者期間が12ヶ月以上が必要になります。)


・失業等給付(基本手当)の所定給付日数が手厚くなる場合があります。


特定理由離職者


上記の特定受給資格者以外の者であって、期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと、その他やむを得ない理由により離職した者のことが対象となります。


なお、給付制限については一般被保険者と同じで自己都合で退職した場合は原則として3か月の給付制限が発生します。ただし、「病気で働けなくなった」などの正当な理由があって退職した場合は、自己都合であっても給付制限が発生しない場合があります。


(参考の記事として、雇用保険制度の見直しを巡り、厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会は2020年6月13日、自己都合で退職した人が失業手当を受け取れるようになるまでの給付制限期間を試行的に現在の3カ月から2カ月に短縮する案を了承した。

共同通信


具体的には、以下の正当な理由のある自己都合により離職した者が対象者となります。

(1)体力の不足、心身の障害疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等

  により離職した者 (2)妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置

  を受けた者 (3)父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を

  余儀なくされた場合又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために

  離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者 (4)配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者 (5)次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者  ・結婚に伴う住所の変更  ・育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼  ・事業所の通勤困難な地への移転  ・自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと  ・鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等  ・事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避  ・配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避 (6)その他、企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等


詳細は、インターネットハローワークをご覧ください。


③国民年金の免除・減免申請


2020年度の国民年金保険料は2019年度より130円アップして、月額1万6540円となります。失業した場合や収入が少ない場合はかなり高額の負担になります。保険料を払う経済的な余裕がないから何も手続きしないでそのままにしている方いらっしゃいませんか?


未納にしていると将来もらう老齢年金の受給が減るばかりか、もらえなくなる可能性さえあります。また、交通事故で下半身不随になった、ブラック企業でボロボロになるまで働いて精神疾患になった場合に申請できる障害年金の保険料納付要件にひっかかり、障害年金も受給できなくなる可能性があります。


もし、経済的に厳しくて国民年金保険料を払う余裕がない場合は、免除や減免の申請をしてください。免除は国民年金保険料を全く払い込みませんが、保険料を払った扱いにしてくれます。(年金の半分は税金で賄われている為)確かに将来もらう老齢年金は免除だと少なくなりますが、障害年金は満額支払われます。


障害基礎年金2級の金額=2級 781,700円/年(月額 65,141円)+ 子の加算


もし、未納のままにして保険料納付要件を満たさないと、障害年金を申請しても上記の金額がまるまる受給できなくなるのです。ですから、国民年金保険料を支払う余裕がない場合は、免除・減免の手続きを必ず行ってください。


新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除制度もあります。是非、日本年金機構もしくはお住まいの市区町村の年金保険課に問合せをしてください。


詳細は、日本年金機構のHPをご覧ください。


➃自立支援医療(精神通院医療)


精神疾患で通院の場合、一般の方であれば公的医療保険で3割の医療費を負担しているところを1割に軽減できる制度です。それが自立支援医療(精神通院医療)になります。


この制度の対象は、統合失調症、鬱病、双極性障害、てんかん、発達障害などがあり(対象疾病はこちら)精神科医が「重度かつ継続的な治療が必要」と判断した人になります。


精神疾患・精神障害や、精神障害のために生じた病態に対して、病院又は診療所に入院しないで行われる医療(外来、外来での投薬、デイ・ケア、訪問看護等が含まれます)が対象となります。


※注意 次のような医療は対象外となります。


・入院医療の費用

・公的医療保険が対象とならない治療、投薬などの費用(例:病院や診療所以外でのカウンセリング)

・精神疾患・精神障害と関係のない疾患の医療費


申請は市町村の担当窓口で行います。市町村によって、担当する課の名称は異なりますが障害福祉課、保健福祉課が担当する場合が多いようです。


申請に必要なものは自治体により異なる場合がありますので、詳しくは市町村の担当課や、精神保健福祉センターにお問い合わせください。申請が認められると、「受給者証(自立支援医療受給者証)」が交付されます。


詳細は、東京都福祉保健局自立支援医療(精神通院医療)についてをご覧ください。


⑤高額療養費制度


高額療養費制度とは、年齢や収入に応じて決まっているひと月の医療費の自己負担限度額を超えた場合、その超過部分を払い戻すという保障です。高額療養費制度を知らずに、それでカバーできるはずの医療費を自己負担してしまうのは本当にもったいないことです。


このブログでも何度もご紹介している制度です。ざっくり言うと平均的な年収世代だと月額9万円弱が自己負担(自分で支払う医療費)で、超過分は申請すれば戻ってくる制度です。この制度も申請をしないと戻ってきません。医療保険の入院日額を決める時などに参考になる制度です。


高額療養費制度の盲点とは?のタイトルで記事を書いておりますので、関心がある方はご覧になってください。


⑥障害者手帳


精神疾患の場合、障害者手帳を持つのに抵抗がある方もいらっしゃると思います。しかし、持ってみると色々なサービスを受けることができます。どのようなメリットがあるのか少し紹介してみます。


障害者手帳を取ると、所得税、住民税、相続税、贈与税、などの減免や非課税、各種自動車税、個人事業税などが割引または控除されます。


就労面では、企業等での就労を目指すにあたり、障害がある人向け雇用枠である障害者雇用枠(オープン枠)の求人に応募することが可能になります。


昨年から「公務員」のオープン枠の募集が積極的になっています。今までは身体障害者の方や知的障害者の方の雇用が多かったのですが、最近は精神障害者雇用が増えている傾向にあります。いわゆる「就労の空白期間」があっても、比較的就職し易いのも特徴のひとつです。


仮に会社を退職した場合でも、一般枠の方よりも長期間、雇用保険の基本手当(失業手当)を受けることができます。障害者である離職者は「就職困難者」に分類されます。就職困難者は基本手当(失業手当)の受給要件が緩和され、受給できる期間も一般被保険者よりかなり長いのが特徴です。


就職困難者の受給要件は、離職前の「1年間」に被保険者期間が通算して「6か月以上」あること。一般離職者は「2年間」に「12か月以上」ですので、その半分の期間で受給資格を得られます。


受給できる期間は被保険者であった期間と年齢によって変わりますが、就職が困難であるため最低でも150日というかなり長い期間で受給可能です。(被保険者期間が1年以上で45歳未満は300日、45歳以上65歳未満は360日受給可能)


また、バス、電車、タクシーなどの公共交通機関は精神障害者保健福祉手帳を提示することにより割引、減免になる場合があります。携帯電話の割引もあります。docomo、au、softbankなど携帯会社による基本料金の割引制度があります。


どうですか?結構メリットありますよね。

精神の障害者手帳は正式には「精神障害者保健福祉手帳」と言います。


対象となるのは精神科の病気あり、継続的に日常生活または社会生活への制約(生活上の障害)がある人です。


手続きは病院に初めてかかった日から6ヶ月以上たった日から申請可能です。有効期限は2年間で、2年ごとに更新できます。窓口は市区町村の障害福祉課などになります。


詳細は、厚生労働省のHPをご覧ください。


⑦障害年金


統合失調症、妄想性障害、鬱病、双極性障害、てんかんなど病気の状況によっては、障害年金で経済的な保障が受けられます。加入している年金や病気の経過などにより手続きは異なります。


障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。


障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。


初診日から1年6ヶ月後の時点で、障害程度が一定の重さである場合に申請できます。初診の診療科は精神疾患であることが確認できれば精神科でなくても構いません。また1年6ヶ月後の時点では該当しなくても、その後障害の程度が重くなった時にも申請できます。


申請はご自分でしても良いし(自分で申請する場合は病院の精神保健福祉士などに相談しましょう)、障害年金を専門にしている社会保険労務士に依頼することもできます。社労士に頼むときのポイントは「社会保険労務士 ご自分が在住の市区町村」で検索をかけると地元の社労士会や支部会のHPが出てきます。そこに電話をかけて「障害年金に強い社労士を紹介してください」と尋ねれば、障害年金専門の社労士を紹介してくれます。


社労士に支払う料金ですが、着手金0円~3万円、障害年金が受給できた時の成功報酬は年金の2ヶ月分、遡及できた場合は遡及額の10%というのが一般的です。


窓口は、

・障害基礎年金・・・市区町村の国民年金課

・障害厚生年金・・・社会保険事務所

・障害共済年金・・・各種共済組合

となります。


⑧生活保護


生活保護制度とは、生活に困窮している国民に、その程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立の助長を図ることを目的とした制度です。


資産、能力等全てを活用した上でも、生活に困窮する人が対象となりますので、各種の社会保障施策による支援、不動産等の資産、扶養義務者による扶養、稼働能力等の活用が、保護実施の前提になります。


「生活保護は、困窮に至った理由は問いません。」


【生活保護の各制度内容】


  • 生活扶助は、日々の暮らしにかかる食費、被服費、光熱費などがもらえる制度。

  • 住宅扶助は、家賃、部屋代、地代、住宅維持費、更新料、引っ越し費用などがもらえる制度。

  • 教育扶助は、子どもの義務教育にかかる費用などがもらえる制度。

  • 医療扶助は、病気やケガをした際に、治療・手術・薬などの費用を支払っての現物給付。最小限の通院費がもらえる制度。

  • 介護扶助は、介護サービスの費用を支払って現物給付がもらえる制度。

  • 出産扶助は、病院や助産施設で出産する費用がもらえる制度。

  • 生業扶助は、就職するための技能を習得する費用、就職支度費用、子どもの高校の授業料などがもらえる制度。

  • 葬祭扶助は、お葬式・火葬・埋葬などの費用がもらえる制度。

各扶助により、健康で文化的な生活水準を維持することができる最低限度の生活を保障しています。扶助の基準は、地域や世帯数等に応じて、厚生労働大臣が設定します。


保護の実施機関は、都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長です。保護の実施機関は、保護の決定・実施の事務について福祉事務所長に委任をし、福祉事務所長が行政庁として保護の決定・実施の事務を行います。


ではどうやって、保護の申請をしたら良いのでしょうか?


福祉事務所の生活保護に関する窓口に行き、保護申請を行う必要があります。申請すると、預貯金・保険・不動産等の資産、扶養義務者による扶養の可否、年金等の社会保障給付・就労収入等、就労の可能性が調査されます。調査後、保護費の支給や保護施設への入所等が決定されます。


【ポイント】

  • 銀行預金、解約返戻金のある生命保険などの資産などについて調査されます。現在住んでいる住居の処分価格が著しく大きくない場合は保有が認められます。

  • 世帯単位で支給されます。所得者個人に対しての支給ではありません。世帯全員の合計収入が基準になります。


⑨住宅確保給付金


住宅確保給付金は、経済的な理由などから家賃を滞納してしまい住宅を失ってしまった、あるいは家賃の支払いが困難となった場合に家賃相当額を支給し、生活の立て直しの支援を目的としている制度です。


支給期間は原則として3ヶ月間と定められています。


ただし、その期間を以てしても家賃を滞納することなく支払うことができないと認められる特別な事情のある場合には、最長で9ヶ月間まで支援期間が延長されます。


住宅確保給付金の申請は、各自治体の福祉担当部署が担当窓口となっています。窓口へ出向いて相談することが困難な場合には、相談員の訪問による対応も可能となっています。また、自治体によっては、社会福祉法人やNPOが担当窓口となっていることもあります。


詳細は、厚生労働省のHPをご覧ください。

⑩生活困窮者自立支援制度


生活困窮者自立支援制度は、「現在は生活保護を受給していないが、生活保護に至るおそれがある人で、自立が見込まれる人」を対象に、困りごとにかかわる相談に応じ、安定した生活に向けて仕事や住まい、子どもの学習などさまざまな面で支援するものです。


都道府県や市町村に「相談窓口」が設けられています。


相談窓口は、都道府県および市の福祉担当部署や社会福祉協議会、社会福祉法人、NPOなどに設置されます。自治体によって設置される機関が異なることがありますので、相談窓口の連絡先については、お住まいの都道府県や市町村にお問い合わせください。