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執筆者の写真あんしんプランナー

うつ病だと保険、住宅ローンは加入できないの?

更新日:2021年3月11日

今日は精神疾患と保険、住宅ローンの関係についてお話したいと思います。

現在弊社は、アクサ生命保険の保険代理店をしています。保険を販売する上で大切なことをお伝えします。


保険契約をするにあたり、生命保険加入時の告知では、被保険者の健康状態、身長や体重、職業、過去の通院歴や入院歴などを伝えます。生命保険会社では、こうした告知の内容をもとに、保険契約の引き受け可否を判断しています。


通院していたことを知られたくない」「睡眠薬だけの処方だから言わなくてもいいだろう」「安定剤など頓服だけの処方だから大丈夫だろう」などと思うかもしれませんが、告知で事実とは異なることを伝えたり、伝えるべきことを伝えなかったりすると「告知義務違反」とみなされます。もしも、契約成立後に告知義務違反が発覚すると、契約解除になったり、いざというときに肝心の保障を受けられなくなる可能性があります。


心療内科や精神科の受診歴も当然告知の対象になります。

例えばうつ病などの診断がある場合、他の病気につながるリスクや、自殺のリスクが高いと判断されることがあります。また、精神疾患は治療の度合いが見えにくいことから慎重な診査が行われることもあります。いつ、どんな診断を受けたのか、どんな薬(できれば薬のミリ数まで)を処方されたのか等を伝えられるようにしておきましょう。お薬手帳を活用するといいと思います。


そもそも保険とは健康な人から広くお金を集めて、死亡、病気、ケガなどのリスクに備えるというのが原則です。リスクが高いことが最初からわかっている人が保険に加入すると平等性が崩れてしまう心配があるので告知が大事になるのです。


健康な方向けの保険は精神疾患が寛解もしくは完治してから5年(保険会社の規定によって期間に相違あり)程度してから加入できる可能性はありますが、すぐに保険に入りたい場合は「引受基準緩和型」の保険にお申込みする方法もあります。


引受基準緩和型の保険とは、テレビのCMなどでよく流れている「持病がある人でも大丈夫」のように基礎疾患がある場合でもお申込みができる保険です。あくまで「お申込み」であって、各保険会社での審査があります。


引受基準緩和型保険の告知について代表的なものを挙げます。


  1. 過去2年以内に、病気やケガで入院をしたこと、または手術を受けたことがありますか?

  2. 現在、ガン・悪性新生物および上皮内新生物、慢性肝炎、肝硬変で、医師の診察・検査・治療・投薬を受けていますか?

  3. 最近3ヶ月以内に、医師の診察または検査により入院、手術を勧められたことがありますか?

上記3つの告知事項がすべていいえならお申込みできます。


引受基準緩和型の保険は健康リスクが比較的高い方(精神疾患を含む)でもお申込み頂けるので、保険料はやや高めに設定されています。また健康な方向けの保険に比べると保障内容が少なくなっています。その他にも契約後1年間は保障額が半分になるなど各保険会社によって対応が異なります。


次は住宅ローンについてお話したいと思います。

過去にうつ病になったことがあったり、現在うつ病と診断されたりした場合でも、住宅ローンを組むことができるのか不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?


原則は現在うつ病の状態では、審査に通る可能性は低くなる傾向にあります。ただ、ローンの種類によっては審査に通りやすいものもあります。


うつ病の状態では、団体信用生命保険に加入できないため、住宅ローンを組めないことが一般的です。しかし、3年以上前に治療が終了している場合は、ローンを組める可能性もあります。ここでは、うつ病でも住宅ローンが組めるのかを詳しく解説します。


住宅ローンを利用するためには、一般的に「団体信用生命保険」に加入します。団体信用生命保険とは、債務者(ローンの契約者)が亡くなったときにローン残債がなくなるもので、金融機関側が債務を回収できなくなるリスクを回避するために、加入することは必須です。


団体信用生命保険に加入する際は健康状態がチェックされますが、うつ病の場合は団体信用生命保険の審査に通りにくいです。そのため、うつ病の状態では住宅ローンは組みづらいと認識しておきましょう。


団体信用生命保険の審査では、過去の病歴・投薬歴などを告知しなければなりません。

団体信用生命保険の審査に通らなければ、住宅ローンを利用できません。


団体信用生命保険を引き受けする保険会社によって告知する事項に違いがありますが、過去3ヶ月以内に治療したのかや、過去3年以内の病歴、投薬の有無などを伝える必要があります。告知書には病気が列挙されており、その中から該当するものを正直に告知しなければなりません。定められた内容に該当する場合は、正確に告知しましょう。


前項保険加入の告知と同じなのですが、病気や投薬などを偽った場合は、告知義務違反に該当します。告知義務違反とは、自身の健康状態を偽って伝えることです。告知義務違反になってしまうと、本来支払われるべき保険金を、受け取れない可能性も出てくるでしょう。そのため、意図的に告知しないことは避けてください。


うつ病でも住宅ローンを組める可能性の比較的高い方法は、以下のようにいくつかあります。

  • ワイド団信に申し込む

  • フラット35を申し込む

  • 他の金融機関の住宅ローンに申し込む

  • 配偶者名義で申し込む

  • うつ病が完治するまで待つ

団体信用生命保険よりも条件が緩和している「ワイド団信」に申し込めば、うつ病であっても、団体信用生命保険に加入できる可能性があります。


健康状態の基準が、緩めに設定されていることは大きなメリットですが、一方で住宅ローンの金利が約0.2〜0.5%上乗せされ、返済額がアップするというデメリットもあります。ワイド団信に申し込む際は、事前にローン返済額をシミュレーションしておきましょう。


またワイド団信に申し込む場合、告知事項に定められている期間に着目しましょう。

告知事項にある期間外の病歴等は告知の必要はありません。告知事項には、「直近(過去)◯◯年(月)以内」という期間の定めがあります。病歴や治療・投薬等の告知をする際、告知事項となっている期間内に該当がある場合のみ記入する必要があります。期間外のもの(すでに完治している5年前の病歴等)を告知してしまったことにより、団信審査否決となってしまうケースもあります。告知事項を熟読した上での告知を心がけましょう。


ワイド団信で精神・神経の病気での引受実績

うつ病・うつ状態、自律神経失調症、適応障害、不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害、神経症など


  • フラット35を申し込む

団体信用生命保険への加入義務がない住宅ローンもあります。それは金融機関と住宅支援機構の共同提供である「フラット35」です。フラット35の場合は、団体信用生命保険への加入は任意のため、うつ病を患っている場合でも利用可能です。また、以下のようなメリットもあります。


  • 返済期間の途中であっても金利上昇はない(全期間固定金利)

  • 自営業などでも審査に通りやすい

こうした利点があるものの、団体信用生命保険に入らない場合は、債務者が亡くなったときでもローン残債がなくなりません。そのためフラット35に申し込む際は、残された家族のためにも、死亡保険(緩和型死亡保険など)への加入などを検討しておきましょう。


  • 他の金融機関の住宅ローンに申し込む

団体信用生命保険の審査を通過できなかったとしても、諦めることはありません。なぜなら、他の保険会社を扱う金融機関の住宅ローンに申し込めば、審査に通る可能性があるからです。金融機関がどの保険会社と提携しているのか、事前に調べておくとよいでしょう。


  • 配偶者名義で申し込む

自身が住宅ローンを組めなくても、配偶者を名義人にして申し込むことは可能です。しかし、配偶者に安定的な収入があることを証明できなければ、審査に通ることは難しいでしょう。配偶者に十分な収入があれば、ぜひこの方法も検討してみてください。


  • うつ病が完治するまで待つ

団体信用生命保険に加入する際の告知義務には、過去3年という期限があるため、うつ病が完治して健康状態が回復したあとで、ローンの審査に申し込む方法もおすすめです。


いかがでしょうか?うつ病などの精神疾患であっても、保険や住宅ローンの加入を諦めることはないと思います。現在では大手生命保険会社や大手金融機関でも緩和型のものやワイド団信を取り扱っています。それだけストレス社会による精神疾患が増えている証なのだと思います。


やはり、保険や住宅ローンは健康な時に入っておくことがとても重要だと思います。でも、健康な時はその重要性が理解できていないのも事実ですよね。ご自分の健康状態を踏まえて、保険や住宅ローンを探してみてください。キーワードは「引受基準緩和型保険」と「ワイド団信」になるかと思います。


長文を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。




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