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緊急事態宣言前に知っておきたい制度

最終更新: 3月2日

新型コロナウイルス対策で、政府は、首都圏の1都3県を対象に2021年1月7日、緊急事態宣言を出すことを決める方針です。経済への影響を最小限に抑えたいとして、限定的な措置を講じることにしています。


新しい施策も発表されると思いますが、緊急事態宣言に伴う解雇や倒産で知っておきたい既存の制度をまとめました。


目次


(1)未払賃金立替払制度

(2)生活困窮者自立支援制度

(3)住宅確保給付金

(4)雇用保険(特定受給資格者)

(5)生活保護


(1)未払賃金立替払制度


未払賃金立替払制度は、企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。8割相当額が支給されます。


未払賃金立替払制度が適用されるのは、

使用者1年以上事業を継続して倒産し、未払賃金が発生した場合です。」


立て替えてもらえるのは、労働者が退職した日の6ヶ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期賃金と退職金です。(ボーナスは対象になりません


パートやアルバイトでも利用できます。また、未払い額が2万円未満の場合は対象外です。

申請先は、最寄りの労働基準監督署または、独立行政法人労働者健康福祉課になります。


(参照:厚生労働省


(2)生活困窮者自立支援制度


生活困窮者自立支援制度は、「現在は生活保護を受給していないが、生活保護に至るおそれがある人で、自立が見込まれる人」を対象に、困りごとにかかわる相談に応じ、安定した生活に向けて仕事や住まい、子どもの学習などさまざまな面で支援するものです。


都道府県や市町村に「相談窓口」が設けられています。相談窓口は、都道府県および市の福祉担当部署や社会福祉協議会、社会福祉法人、NPOなどに設置されます。自治体によって設置される機関が異なることがありますので、相談窓口の連絡先については、お住まいの都道府県や市町村にお問い合わせください。


(参照:厚生労働省


(3)住宅確保給付金


住宅確保給付金は、経済的な理由などから家賃を滞納してしまい住宅を失ってしまった、あるいは家賃の支払いが困難となった場合に家賃相当額を支給し、生活の立て直しの支援を目的としている制度です。支給期間は原則として3ヶ月間と定められています。


ただし、その期間を以てしても家賃を滞納することなく支払うことができないと認められる特別な事情のある場合には、最長で9か月間まで支援期間が延長されます。


住宅確保給付金の申請は、各自治体の福祉担当部署が担当窓口となっています。窓口へ出向いて相談することが困難な場合には、相談員の訪問による対応も可能となっています。また自治体によっては、社会福祉法人やNPOが担当窓口となっていることもあります。


(参照:厚生労働省


(4)雇用保険(特定受給資格者)


特定受給資格者とは、簡単にいうと会社都合で退職した人のことです。倒産や解雇などの理由から、再就職の準備をする時間的余裕がないまま離職した人のことをいいます。


一般的に「失業保険」と呼ばれている雇用保険の基本手当の給付日数は、離職者の退職理由によって分類されていて、「特定受給資格者」はその分類の中の1つを指します。


通常、基本手当(失業手当)が支給されるまでは、待期期間と給付制限期間が設けられています。待期期間とは、受給資格決定日から支給対象期間までの7日間のことです。また、給付制限期間とは、待期期間同様、雇用保険の基本手当が支給されない期間のことです。


自己都合退職の場合は、給付制限というものがあり、受給資格決定日(離職票を提出し、求職の申し込みを行った日)から、7日間の待期期間を満了したのち、さらに3ヶ月間は基本手当が支給されません。


一方、特定受給資格者は、受給資格決定日(離職票を提出し、求職の申し込みを行った日)から、7日間の待期期間を満了すれば基本手当が支給されます。そのため、特定受給資格者は給付制限がない分、自己都合退職の方よりも3カ月早く基本手当を受け取れるということになります。


さらに、特定受給資格者は自己都合退職の場合と比べて基本手当の給付期間が長くなる傾向があります。


(参照:厚生労働省


(5)生活保護


生活保護制度とは、生活に困窮している国民に、その程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立の助長を図ることを目的とした制度です。


資産、能力等全てを活用した上でも、生活に困窮する人が対象となりますので、各種の社会保障施策による支援、不動産等の資産、扶養義務者による扶養、稼働能力等の活用が、保護実施の前提になります。


困窮に至った理由は問いません。


生活保護には


・生活扶助は、日々の暮らしにかかる食費、被服費、光熱費などがもらえる制度

・住宅扶助は、家賃、部屋代、地代、住宅維持費、更新料、引越費用などがもらえる制度

・教育扶助は、子どもの義務教育にかかる費用などがもらえる制度

・医療扶助は、病気やケガをした際に、治療・手術・薬などの費用の現物給付制度

・介護扶助は、介護サービスの費用を支払って現物給付がもらえる制度

・出産扶助は、病院や助産施設で出産する費用がもらえる制度

・生業扶助は、就職するための技能を習得する費用、就職支度費用、子どもの高校の授業料などがもらえる制度

・葬祭扶助は、お葬式・火葬・埋葬などの費用がもらえる制度


があります。


各扶助により、健康で文化的な生活水準を維持することができる最低限度の生活を保障しています。扶助の基準は、地域や世帯数等に応じて、厚生労働大臣が設定します。


保護の実施機関は、都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長です。保護の実施機関は、保護の決定・実施の事務について福祉事務所長に委任をし、福祉事務所長が行政庁として保護の決定・実施の事務を行います。


ではどうやって、保護の申請をしたら良いのでしょうか?


福祉事務所の生活保護に関する窓口に行き、保護申請を行う必要があります。申請すると、預貯金・保険・不動産等の資産、扶養義務者による扶養の可否、年金等の社会保障給付・就労収入等、就労の可能性が調査されます。調査後、保護費の支給や保護施設への入所等が決定されます。


ひとりで申請するのは心配と思われる方には、法テラスをお勧めします。

さまざまな法的トラブルを抱えてしまったとき、「だれに相談すればいいの?」、「どんな解決方法があるの?」と、わからないことも多いはず。こうした問題解決への「道案内」をするのが法テラスです。


全国の相談窓口が一つになっていないために情報にたどりつけない、経済的な理由で弁護士など法律の専門家に相談ができない、近くに専門家がいない、といったいろいろな問題があった中、総合法律支援法に基づき、平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人が、日本司法支援センター(通称:法テラス)です。


法テラスでは、新型コロナウイルス感染症対策として、2021年3月31日まで、面談のほか、電話やオンラインでの法律相談も行っています。お近くの弁護士・司法書士との電話やオンラインによる相談も無料となる場合があります。詳細は下記リンクよりご確認ください。



(6)障害年金の申請


現在、鬱病や双極性障害、統合失調症、発達障害などの精神疾患を抱えながら必死に働いている方と面談する機会があります。また、就労移行支援や作業所に通われている方とも面談をします。その中で感じるのが、障害年金を受給されている方が意外に少ないことです。


実際、障害年金のお話をすると、「まさか自分が障害年金を受給できるわけないよ!」と言われる方が多いです。なぜ皆さんが「障害年金を受給できない」のかと思う理由は後述しますが、まずは障害年金とはどんな制度か?というお話からしたいと思います。


障害年金とは皆さんが入っている公的年金の「国民年金・厚生年金」の給付のひとつです。


老齢年金は一般的に65歳になるともらえますが、その前に「病気やけがで働くのが困難になった時」に助けてくれるのが障害年金です。原則、20歳から64歳の人が対象です。


障害年金はいくらもらえるのでしょうか?


障害年金は障害等級ごとに支給される金額が異なり、その倍率は毎年変動します。

2020年4月分の計算方式は、以下のとおりです。


(年額)

障害基礎年金1級 780,100円×1.25(等級倍率)+子の加算

障害基礎年金2級 780,100円+子の加算


障害基礎年金は、扶養する子供の人数分の支給額を加算します。支給の対象となるのは原則18歳までの子供で、ひとりあたり以下の金額が支給されます。


(加算金額)

第1子224,500円/年

第2子224,500円/年

第3子以降1人あたり74,800円/年


障害厚生年金は、収入によって受給できる金額が変動します。

障害基礎年金と違い、障害等級3級まで受給対象者としているのが特徴です。


障害厚生年金1級 平均月収額×0.55%×厚生年金加入期間×1.25+配偶者の加給年金額

障害厚生年金2級 平均月収額×0.55%×厚生年金加入期間+配偶者の加給年金額

障害厚生年金3級 平均月収額×0.55%×厚生年金加入期間+配偶者の加給年金額



計算式だけ見ているとなんだか分かりづらいですが、基礎年金の上乗せ分(厚生年金分)や、結婚されている方には配偶者加算がつくので、年額100万円超の障害年金が受給できます。厚生年金の加入期間が大きく影響するので、人によって受給金額はバラつきがあります。


障害年金を受給要件チェックポイント

【チェックポイント】

  1. 年齢は20歳~64歳ですか?

  2. その病気やけがで初めて診療を受けた日(初診日)はわかりますか?

  3. 初診日から様子見の期間として1年6ヶ月(障害認定日)を経過していますか?

  4. 初診日の前に保険料を払っていましたか?※

※「保険料納付要件」

初診日における保険料の納付状況が以下の①または②を満たしていなければなりません。

初診日が分かったら、その時点で国民年金、厚生年金保険、共済年金の保険料納付状況を確認する必要があります。保険料を支払っていたかどうかは年金事務所あるいは市役所で確認できます。免除期間も保険料を支払っていた期間としてカウントされます。

初診日を過ぎてから保険料を支払ったり、初診日を過ぎてから免除手続をしている場合はカウントされません。


① 保険料納付要件の原則は加入期間の3分の2以上納めていること

⇒障害年金を請求しようとする傷病にかかる初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間についての、保険料納付期間と免除期間を合算した期間が加入期間の3分の2以上あること。


② ①を満たさない場合は、直近1年間に滞納期間がないこと

初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に、保険料納付済期間と保険料免除期間以外の期間がないこと。


【20歳前障害の例外】

20歳前に初診日がある人や先天性の病気については、保険料納付要件は問われません。


どんな病気で受給できるの?


精神疾患で例示すると、若年性認知症、うつ病、双極性障害、てんかん、発達障害、統合失調症など様々な疾患が対象になっています。

詳しくは日本年金機構のページをご覧ください。


お客様のご意見として


「私は障害者手帳が3級だからどうせ障害年金はもらえないから・・・」

「オープン枠で働いているからどうせ障害年金は無理・・・」

「障害者手帳をとるのは抵抗感があるから障害年金の申請はいいや・・・」


と言われて、自己判断で障害年金の申請を諦めている方が多い印象です。


「障害者手帳が2級だから、障害年金も2級」というものではありません。一方、障害者手帳が3級でも障害年金が2級というケースは結構あります。障害者手帳と障害年金は審査する機関が異なるためです。また、障害者手帳をそもそも持っていなくても障害年金の請求(申請)は可能です。


「以前請求したが、不支給だった」場合、「事後重症」という手続きを行います。


障害年金は「初診日」から1年6カ月を経過した障害認定日に、障害等級1級、2級(厚生年金は3級もOK)に該当しなければ支給されません。しかし人によっては1年6カ月の障害認定日には障害等級に該当せず、その後障害が悪化し、1級、2級(厚生年金は3級)に該当することがあります。このような人に対しても障害年金の受給権を与えようとしたのが「事後重症による障害年金」です。


先ほども述べたように、障害者手帳と障害年金は審査する機関が異なります。よって、障害者手帳が無くても先ずは障害年金の申請だけしてみることも可能です。


障害年金の申請はご自分でもできますが、私のお勧めは「障害年金専門の社会保険労務士」に依頼することです。社会保険労務士は、医師が書いてくれた診断書と整合性をもたせた申立書を記入してくれるだけではなく、普段の診察で主治医に伝えきれていないご自分の体調や生活状況を手紙や電話で主治医に伝えてくれます。


障害年金で一番大事なのは医師の診断書です。その診断書を現状を踏まえて書いてもらうことがとても重要になります。また、申立書の記入などに無駄なことは書かず、重要なことを丁寧に書くのコツを知っているのはやはり、障害年金専門の社会保険労務士と言えます。


では、社会保険労務士に頼むといくらぐらいお金がかかるのでしょうか?相場は、


・着手金:0~3万円

・成功報酬:年金受給額の2ヶ月分

・遡及ができた場合:遡及額の10%


というのが一般的です。不支給の場合は、着手金は返ってきませんが、報酬は支払わなくていいケースがほとんどです。


弊社では「障害年金専門の社会保険労務士」をご紹介しております。


コロナウィルスで緊急事態宣言が出ている中なので、電話とメールと郵送のみで障害年金の手続きができます。全国からの依頼に対応しております。


期間としては主治医から診断書を書いてもらう、申立書の記入に約2~3ヶ月。日本年金機構の審査に3~4ヶ月かかります。申請から受給までは長丁場になります。もしご関心があれば、早めに対応されることをお勧めします。


ご関心がある方は、弊社あんしんプランナーまでご連絡頂ければ、無料でご相談、障害年金専門の社会保険労務士をご紹介いたします。


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